転職を考える方にとって、年収希望は人材紹介会社との面談でも、企業との面接でも、必ず聞かれる質問です。その際、どの企業も同様に重視するポイントは、直近の年収実績と、それを踏まえての本人の希望です。今回は、年収実績と年収希望を伝える際に確認しておくべきポイントをいくつかご紹介します。

年収実績
・　源泉徴収票などを見て総額を確認しておいてください。企業側が知りたいのは手取り額ではなく、税引き前の総額です。
・　基本給の他に諸手当（配偶者手当、住居手当等）が支給されている場合は、諸手当も年収に含めてください。
・　年収に占める固定給とボーナス又はインセンティブの割合を確認しておいてください。
・　ボーナス又はインセンティブの額が業績に応じて変動する場合、どのような仕組みで決定するのか説明を求められることがあります。
・　交渉の余地を残しておくためにすべての情報を開示したくはないという考え方もあるのかもしれません。しかし、　　年収はとても大事な要素なので、最初から正直かつ正確な情報のみをお伝えされるようお勧めします。もし面接が順調に進み、入社直前または入社後になって事実と違う点が発覚したら、大きな問題になりかねません。

年収希望
・　前年度の年収をベースとし、現状維持または多少の上乗せを求めるという考えならば、企業側にも理解される可能性が高いでしょう。
・　自分にとって絶対に譲れない条件（例：　固定部分で少なくともxx万円以上を確保したい）と、できれば実現したいが無理なら妥協してもよいと考える条件（例：　出張の際はビジネスクラスを利用したい）を、まず自分の中ではっきりさせておいてください。
・　年収希望は、人材紹介会社にも企業側にも、また転職プロセスの最初から最後まで、できるだけ首尾一貫して同じ希望を伝えることをお勧めします。最初はチャンスを広げるために低めの年収希望を伝えていても、自分が選ばれる可能性が高まったと見るや年収希望を上げたくなる気持ちもわかりますが、それは一般的にはあまり印象がよくありません。自分にとって本当に譲れない年収希望があるならば、それは最初から伝えるべきです。もしそれで上手くいかなければ所詮それまでのご縁だった、というある種の割り切りも必要だと思います。

ただし、以上はあくまで一般論です。実際には外資系企業/日本企業、業界の特色、ポジションの種類、各企業の方針によっても違いがあり、ケースバイケースです。特定のポジションに応募する場合にはぜひコンサルタントまでご相談ください。