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【スイス・ヨーロッパ事情】休暇はいつ取るべきか?-- 日本とスイスのちがい

日本では夏のこの時期、多くの人々が帰省し、家族や親せきを訪ねたり、先祖の墓参りをする。8月の半ばにある「お盆」の時期とは、普段は離ればなれに暮らしている日本の家族がひとつになる貴重な機会だ。特に今年は震災後から続いている節電の影響で、多くの企業が働き者の従業員たちにいつもより多く休暇を与えたり、会社の営業を休んだりしている。

日本の祝日はOECD中最多


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とはいえ、「お盆」とは日本政府が定めた正式な祝日ではない(お盆は仏教的な習慣で政府は通常、宗教的な習慣には介入しないことになっている)。日本のカレンダーを見ると、毎年15日もの祝日がある。これは驚くことに、OECD(経済協力開発機構)加盟国中、最も多い数字だ。
スイスでは通常祝日は年9日ほどだが、これも住んでいる地域による。国中が祝日となるのは8月1日のNational Foundation Day(建国記念日)のみだ。祝日は各地域の自治体(canton(州)または市町村)が独自に決めるため、地域の宗教や伝統によって、日数も日にちも異なるのだ。スイス版のお盆にあたるのは11月1日のAll Saint's Day(万聖節)になるが、万聖節を祝うのはカソリックの地域のみ(スイス全体の約半分)となる。

「国に言われなきゃ休みをとらない」日本人たち


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日本で祝日が多い理由のひとつは「日本人は有給休暇を使わないから」と言われている。そのため日本の政府は祝日を多くし、国民をできるだけ休ませようとしているのだ。 平均で18日の有給休暇をもらえる日本人だが、実際に使われるのは半分以下の8.5日に過ぎない。日本での最低有給休暇日数は10日間で(5ヶ月間継続勤務後に取得できる)、6年半継続勤務すれば20日間まで増える。欧米の人々にとって、なぜ日本人が有給休暇を使わないかは謎であることが多い。どうにも説明がつかない社会的、文化的な理由がその背景にはあるのだろう。

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スイスではそれぞれの法律により、最低でも4週間(20歳未満であれば5週間)の有給休暇が認められており(ヨーロッパ全体では通常20日?30日)、この日数には勤務期間は関係ない。そしてスイスの労働者はこの有給休暇を一週間、二週間またはそれ以上の単位で取り、全部を使い切る。しかもこれは最低日数に過ぎず、残業をすればその分の日数がさらに増える。ここまで読んで、日本人なら「そんなに従業員が何週間もいなくなって、どうやって会社が回るのだろう」と不思議になるのではないだろうか。

それなら在日スイス企業で働くべき?


もちろん日本ではスイス企業だからといって最初の年から20日間もの有給休暇を取れるわけではない。スイス企業はその国の習慣に従う会社が多く、そのため条件は日本企業とあまり変わらない場合が多い。スイス企業といえど日本の法律の下で経営しているからだ。とはいえ多くの場合、スイス本社の規則や行動規範が社風に影響するため、日系企業に比べ休暇が取りやすく、ワーク・ライフ・バランスがとりやすい環境にあると言えるだろう。

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