外資系 転職 人材紹介のGaipro

Gaipro Powered by G+S japan

ホーム > お仕事をお探しの方へ > 転職アドバイス > 【スイス・ヨーロッパ事情】スイスの就職活動について パート2
Gaipro株式会社

【スイス・ヨーロッパ事情】スイスの就職活動について パート2

専門学校や職業訓練校について -- 高校や大学に進まない学生への準備教育

iStock_000020162653XSmall.jpgのサムネール画像

前回「スイスの就職活動について パート1」で触れたように、スイスでは、高校や大学に進まず、実用的・専門的な教育を受ける若者もたくさんいます。スイスでは、成功するために大学の学位は必ずしも必要とされていません。良い例が金融大手UBSのマルセル・オスペル前取締役会会長です。彼は専門学校からキャリアをスタートさせました。
このように、将来性ある若者たちは(大抵の場合、中学を卒業した後)専門学校で職業訓練を開始します。職業訓練は実地訓練と学校での授業になります。学生は週3-4日を会社で働き、残りの1-2日は学校の授業に出席します。授業は学生の専門分野を中心としているか、言語、コミュニケーション、法律、社会、スポーツなどの一般知識となります。

専門学校に進む学生たちは、大工、造園業、美容師、塗装工、ITスペシャリストなど、特に商業、産業、技術分野などを目指していることが多いです。他の大部分は事務系などの職業訓練になります。職業の分野にもよりますが、卒業までに3,4年を要し、学校や地域によって教育システムは異なるにも関わらず、この卒業証書はスイス中で認定されています。

この二重の教育システムはヨーロッパでも特殊であり、同じような教育機関を持っているのはドイツなどの数カ国しかありません。スイスでは約300の専門学校があり、1970年にはその内女性は3分の1に過ぎませんでしたが、徐々に数は増え、2003年には43%が女性となっています。とはいえ、女性は男性に比べより短期の職業訓練を選択することが多いようです。

iStock_000012895194_ExtraSmall.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像

専門学校を卒業した学生には2つの選択肢があります。
ひとつはさらに高度な職業訓練を受け、大学で応用化学を学び、さらなる学歴を手に入れる事。もうひとつは卒業後すぐに社会に出て働くことです。
学校での授業だけでなく、実地訓練を受けた専門学校卒業生たちは企業から大変重宝されています。しかし学生たちの多くは職業訓練として働いた会社ではなく、他の会社で働き始めます。主な理由は、訓練を受けた会社が小さすぎる、または会社の方に新規の社員を雇う余裕がないなどがあります。職業訓練を受けた後に雇用主を変えることは、スイスでは日本や他の国ほどには問題とはなりません。

この二重の職業訓練システムによって、若い人々は大学の学位だけではなく、技術的なスキルで自らのキャリアを築くことができ、実用的な方面により才能がある若者たちにとって大きな助けとなります。同時に企業側は机上の知識だけではなく、実践の経験とスキルがある若い人々を雇うことができるというわけです。